2006年06月04日

[コラム]村上ファンドはまるでオルフェノク

2006/5/20号の東洋経済にて

「徹底解明村上ファンド」と題して、村上ファンドの特集が組まれていた。主に阪神電鉄株取得の手法について書かれた記事であるが、村上ファンドの本質に迫ろうとしている意気込みを感じた。

特例をフル活用するという狡猾さは浅田満に通じる

記事の中で、村上ファンドは大量保有報告書の複雑怪奇な提出ルールを利用し、大量保有報告書を開示せずにどんどんステルス作戦で阪神電鉄株を買い進めていった。
こうした、ルールの隙をつくやり方は極めて狡猾で且つヤクザ的である。そういう意味において、村上ファンドは同和タブーを利用してのし上がった浅田満に通じるものがある。

昔だったら間違いなく総会屋にされていただろう

村上ファンドはこうした悪辣な手法を用いてまでも、大量買収→経営提案→撤退というサイクルを通じて、アコギに金を稼いでいる。しかも、買収方法にせよ、経営提案にせよ、極めて強引なものが目立つ。昔だったら、総会屋の一種として警戒されていただろう。外国でも、村上ファンドのような連中はゴマンといるのだが、そうした連中はグリーンメーラーと呼ばれ、一種の社会悪として認知されている。
因みに、村上ファンドみたいな「モノ言う株主」は昔からいた。糸山英太郎氏である。

糸山英太郎氏と村上世彰氏の違い

糸山英太郎氏も強引な買収と提案を行うような人物という意味では、村上世彰氏と変わりがないが、糸山英太郎氏と村上世彰氏との間において大きな差があるとすれば、それは志に尽きる。糸山英太郎氏は飽くまで自分の正義と威信に懸けて買収や提案を行う。つまり、強引でも一本筋が通っているのである。それ故、糸山氏が批判して止まない日本航空の社長など、糸山氏に頭を下げに行く始末である。
しかし、村上氏の方は世間からの反発が少なくない。糸山氏に比べてマスコミ露出が多いせいもあるが、村上氏の投資戦略は志というものが全く感じられない。投資戦略方針はあるが、村上氏は自らの行動を通して、何を変えたいのかがはっきり見えてこない。社会変革を目指しているという見られ方もするが、それは違う。結局のところ、村上氏は単に金儲けの手段として、派手にパフォーマンスを打って、世間の耳目を奪っているだけに過ぎない。
また、興味深いことに、糸山氏は村上氏を「グリーンメーラーは生き残れない」などと批判している。

新しいから排除されているのではない

ホリエモンにせよ、村上ファンドにせよ、今の若い世代は概ね彼らを支持している。若い世代の人間は何時の世も古い体制を敵視する傾向が強いが、ホリエモンや村上ファンドのような志のない連中に傾倒しすぎるのは大いに問題がある。
大体、ものの善悪・正邪を判断するのに新旧という物差しを用いるのは無意味である。新旧と善悪・正邪が結びつくのなら、共産主義という今の自由主義経済よりも新しい考えが地球人類に定着しなかった理由が分からなくなる。しかも、最近は数学者の藤原正彦氏の著書が売れているが、藤原氏の考え方は「武士道」という古い日本的価値観に基づいたものである。ホリエモンや村上ファンドなどから見れば、藤原氏などは旧体制の人間にしか見えないだろう。しかし、その藤原氏の本が大いに売れているのは何故だろうか?よく考えて欲しい。

東洋経済の特集の後半にて

村上ファンドに狙われた企業のその時とその後に関しての記事が載っているが、村上ファンド介入を機に優良企業に変わるという話もある。まるで、仮面ライダーファイズに登場したオルフェノクの「使徒再生」そのものである。そういえば、仮面ライダーファイズにも村上峡児(ローズオルフェノク)という登場人物がいた。この村上峡児によると、オルフェノクが人間を襲うのは正しいことだという。これを村上世彰氏に当て填めると、村上ファンドのようなグリーンメーラーが企業を襲うことは正しいとしているのと同様の考え方である。東映のスタッフは2002年頃から村上ファンドの本質を理解していたのかとさえ勘繰りたくなる。
余談であるが、その村上峡児を演じた村井克行氏は、ニッポン放送株TOB合戦頃に放送された「恋におちたら」というドラマでロイド某とかいう村上ファンドのようなグリーンメーラーのサブリーダー格として出演していたことを付け加えておきたい。尤も、村井氏の出演はフジテレビが相当狙ったものであると考えられる節があるが。

村上ファンドに未来はない

日本において村上ファンドのようなグリーンメーラーの存在が総会屋以上に知られるようになったことから、日本の各企業経営者達はこうしたグリーンメーラーに付け込まれないようにする対策を練り始めた。この動きは単に自分達の既得権益を守るための動きではない。ニッポン放送株TOB合戦の時もフジテレビがライブドアによるニッポン放送株大量取得に関して後手後手に回ったことが批判された。これは日本の企業経営者達が如何にぬるま湯に浸かっていたのかよく分かる話の一端である。他の企業もフジテレビの轍を踏まぬように対策を練るのは当然である。
また、村上ファンドとて、常に勝ち続けていたわけではない。所々において損な取引を強いられていることもあった。しかし、今後、村上ファンドに続くようなグリーンメーラーが続々と登場することは想像に難くない。最後に勝つのはきちんとした志のある人間である。単に世間の耳目を集めるだけのパフォーマーは早晩消えゆく運命にある。また、そのような儚き存在に仮託する連中がいち早く目を覚ましてくれることを祈りたい。

日本の価値観「武士道」の復活を掲げる数学者藤原正彦氏の著書

本当の意味での「モノ言う株主」糸山英太郎氏の著書

posted by 須藤雅史@多摩急行電鉄 at 11:47| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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