2005年11月15日

[コラム]ニートにも色々ある

ニートとは

「ニート(NEET)」とは「Not in Employment, Education or Training」つまり「働かず、学ばず、訓練せず」という意味の英語の頭文字を並べた呼称である。メディアでは若者ばかりが取り上げられがちで、厚生労働省の労働経済白書(2005年版)でも「年齢15〜34歳の非労働力人口(仕事と求職活動をしていない人)のうち,家事も通学もしていない者」と定義・集計している。
が、実際には35歳以上でも似たような人がいる(例:「dexiosu」というハンドルネームのネットワーカー)。ブログの中ではこうした人への対策も必要だと訴える人もいるが、ここでは厚生労働省の定義するニートを前提にする。

ニートには4つの種類がある

一言でニートと言っても色々あるが、大まかに4つのパターンに分けられる。
  1. ヤンキー型
     反社会的で享楽的。「今が楽しければいい」というタイプ
  2. ひきこもり型
     社会との関係を築けず、こもってしまうタイプ
  3. 立ちすくみ型
     就職を前に考え込んでしまい、行き詰ってしまうタイプ
  4. つまずき型
     いったんは就職したものの早々に辞め、自信を喪失したタイプ
それぞれがそれぞれの事情でニートになったというものである。以下、これらの類型別に対策を考えてみたい。

ヤンキー型の場合

「ヤンキー」というと、学校の不良生徒とかそういうのを思い浮かべがちであるが、必ずしも不良とは限らない。そもそも、今の日本国民自体享楽的な傾向が見られ、享楽的という見地においては「ヤンキー」を咎められる立場ではない。
ただ、そうした享楽的な一般国民以上に「ヤンキー」の場合は飽きっぽく、途中で投げ出す傾向性が見られ、また、反社会的であることから屡々犯罪にも手を染める。本人の中にある自分への甘えを解消しない限り、対処が難しい厄介なニートである。
こうした「ヤンキー」になるきっかけは色々あるが、甘やかす親よりも厳格な親の方が却ってこのタイプを作りやすい。子供を躾けると称して、虐待に近いようなことを平気ですると、親への反発を覚え、「ヤンキー」になってしまう。優しさや愛情を知らないため、攻撃的で外罰的な性格となるためである。ヤクザの親分クラスの人は厳しい親に育てられたという人が多い。
「ヤンキー」の場合、ある意味厳しさに対しては耐性がある。だから、根気さえ身につけさせれば、それなりに大成する可能性がある(悪い事例だが、ヤクザの親分クラスは「部屋住み」でそうした修行をして「ヤンキー」から脱皮した人が多い)。
このタイプのニートの場合、社会常識と根気を身につけさせるのがニート脱出の鍵となるだろう。

ひきこもり型の場合

前述の「ヤンキー」とは対照的にこちらは大人しくて真面目なタイプに多い。内気で自己表現が下手で人間関係を築くのが大の苦手というタイプである。「ヤンキー」の場合、攻撃的な性格故に前へ前へ進む勇気はある程度身につけているが、「ひきこもり」の場合、臆病で前進する勇気がない。これは後述の「立ちすくみ」や「つまずき」にも言えるが。
「ひきこもり」の場合、家庭や学校で虐められてきた人が多い。そのため、周囲に対して不必要に警戒し、自分の殻に閉じこもってしまいがちである。それ故、生半可な説得では却って不信感が募るだけである。
今のネット社会において、「ひきこもり」は意外なくらい知識を蓄積していることも少なくない。「オタク」となっているケースである。そのため、専門知識を深めている或いは見聞を広く持っていることも少なくない。後は、それを社会に生かせる場を設けてやれば良い。
このタイプのニートの場合、チームでの作業に参加させ、なるたけ、認めてあげるようにすることが肝要である。意外と「目立ちたがり」な人たちだったりするからである。

立ちすくみ型の場合

臆病なのは「ひきこもり」とよく似ているが、「ひきこもり」はいつも臆病であるのに対し、「立ちすくみ」は特定の局面にだけ臆病になるタイプである。その特定の局面が就職活動となった場合、ニートとなる危険性がある。
「立ちすくみ」の場合、慎重な性格の人が多い。後先を考えない破滅型の「ヤンキー」とは対照的である。型に嵌められたような生活に親しみ、未知の分野になかなか手を出さない。好奇心のないタイプといえる。そのため、就職活動において立ちすくんでしまう。
このタイプを生み出す親もまた、安全な道を進ませるように教育していて、道を外れることを極度に嫌う、先例主義で横並び主義の志向がある。
しかし、価値観の多様化した現代社会において、このような先例主義や横並び主義はおちこぼれを作る要因にさえなってしまっている。時代適応性に乏しいとも言える。
このタイプのニートの場合、「夢」を持っていないので、適性を見出すことが難しい。特定の志向がないということは逆に、何色にでも染まる可能性があるので、とりあえず何かをやらせるしかなさそうである。但し、価値観の多様さは学ばせる必要がある。そうでないと、後述の「つまずき」になってしまう危険性があるからである。

つまずき型の場合

「立ちすくみ」と同じく、特定の局面で臆病になるタイプであるが、「立ちすくみ」は未来の経験に対する臆病さに対し、「つまずき」は過去の経験から得た臆病さで違いが出ている。
また、「ヤンキー」や「ひきこもり」、「立ちすくみ」の場合は子供の頃からの教育環境が影響しているが、「つまずき」の場合はどんな教育環境で育てられたかには余り依存しない。過去の経験からの影響とはいえ、積み重ねられた過去より、過去の特定の経験が起因しているからである。但し、その過去の特定の経験から立ち直れるかどうかの要素には育てられ方も影響しているが。
このタイプのニートの場合、如何に過去のトラウマから解放させるかが鍵である。下手に刺激すると「ヤンキー」や「ひきこもり」に転化する虞もある。どういうプロセスを経て失敗したのかを客観的に見詰め直して、失敗経験の棚卸しを行わせる他ないだろう。

どのタイプにも言えること

4つの類型別に見てみたが、4つの類型とも、とどのつまり「自分への甘え」が原因している。
また、教育環境に関しても1つの典型的な事例を挙げたが、他にも色々な要因が複雑に絡んでいることも考えられうる(例えば、先例・横並び主義の教育環境に反発を覚えて「ヤンキー」になるとか)。また、同じような教育環境にありながら、一人はニートになるのに対し、もう一人はニートにならないというようなケースもある。こうしたことから、結局は本人の資質に帰結してしまうのだろう。
杉村太蔵議員がこうしたニート対策のスペシャリストを目指しているというが、政府がどんなに頑張っても、個人の心の問題には踏み込めない。結局は、本人の努力に期待するしかないのだろう。


posted by 須藤雅史@多摩急行電鉄 at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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